私の恋人

このあいだの日曜日、恋人が迎えに来るのがとても遅くて、あとから聞いたら親の買い物に付き添っていたという。
先にそのことを言ってくれればよかったのに、と思いながら話を聞いていると、
「チョコパイあるよ」と言われた。
私はチョコパイが大好きだけれど恋人はあまりチョコ自体が好きではなく、付き合う前はろくに食べもしなかったくらいなので、珍しいなと思ったけど、一緒に食べようというので1つずつ食べた。
あとからもう1つ食べようというと、「飽きた」という。
自分で買ってきたのに、というと、「待たせちゃったからお土産」という。
彼は別にチョコパイが食べたかったのではなくて、私を待たせたお詫びにチョコパイを買ってきたが、ただ私に渡すだけだと遠慮をされるのを知っていて、気を遣わせないように1つだけ食べたのだと、あとから気がついた。
私は頭が良くないので、いつもそういうことにあとから気づいて申し訳なくなる。
けれどチョコパイは美味しいし、恋人のそういうところが好きだと思う。

ちなみにこのチョコパイは、親との買い物中に彼がどさくさに紛れてカゴの中に入れ、親に買わせたものである。